川口漁業協同組合の概要 平成25年度の業務報告


平成25年5月1日から平成26年4月30日まで


第1 事業報告(事業概況書)
第25年度
平成 25年5月1日から
平成 26年4月30日まで

 Ⅰ 組合の事業活動の概況に関する事項
   1.一般的概況
 10月27日(日)、第33回全国豊かな海づくり大会が、「育もう生命かがやく故郷の海」をテーマに熊本県立劇場(式典行事)、及びエコパーク水俣、熊本港、牛深漁港(海上歓迎・放流行事)と、大会史上初めて3会場で開催されました。
 海づくり大会は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する意識の高揚を図るとともに、水産業に対する認識を深めるため、国民的行事として昭和56年度から毎年開催されております。
 天皇皇后両陛下ご臨席のもと功績者団体等への表彰式が行われ、当組合の功績が認められ漁場・環境保全部門で大会会長賞を受賞いたしまいた。また、この大会において、我が国の恵まれた水産資源を守り、豊漁の海という財産を、将来に引き継ぐ重要な責務があるということを再確認し、新たな決意をもって、豊かな海の環境を守り育ててゆくということを決議されました。
 当組合におきましては、九州北部豪雨により壊滅的な被害を受けたアサリ漁場の復旧が急がれる中、依然として漁場の生産力が減退しており、またノリにつきましても、栄養塩低下による色落ちが2月に始まり、回復することなく漁期が終了しました。
 主幹漁業である貝類とノリの低迷により、販売事業の取扱高が24年度の3億4千万円から25年度は2億5千万円と8千7百万円の減収となり、漁業者にとっては非常に厳しい状況でした。
 
 主な事業活動と成果については、次のとおりです。

①.信用事業
 熊本市農林漁業振興資金で漁船建造資金1件の貸付を実施しました。
借入利息は1.3%、貸付利率は1.6%でした。
 本年度から実施した、多面的機能発揮対策の立替払いに充てるため、熊本銀行より5百万円の短期借り入れを行いました。

②.共済事業
 漁家経営が厳しい中、組合員の生命・財産を守るため積極的に推進した結果、新規契約の長期契約につきましては、11年連続で計画を達成することができました。また、新規契約につきましても、計画を達成することができました。

③.購買事業
 石油類は、相変わらず高値で推移しておりますが安定供給を第一に推進しました。ノリ生産者を対象にノリ期間中、A重油とガソリンの販売を行っていましたが、25年度は、組合クラゲ集荷者に限りガソリン販売を認め、また信頼のおける建設工事船に限り販売を認めた結果、前年度と比較し供給金額で、2千9百万円増の224%の結果となりました。
 資材類では、不作のあおりを受け、のり関連資材の売り上げが減少しましたが、汚濁防止ネット等工事関連資材が好調を維持し、2千2百万円増の122%の結果、全体の供給金額は24年度の1億2千6百万円に対して25年度は1億7千8百万円という好成績でした。

④.販売事業
1)貝類
 アサリ取扱高は昨年度の10分の1程度と、九州北部豪雨被害で壊滅的ダメージを受けている中、アサリの産卵期に合わせて自主休漁期間を設けて資源管理に取り組みましたが厳しい状況が続いており、また、ハマグリについても取扱高は2千万円減というように、24年は1億2千9万円から25年は5千3百万円と激減し、採貝者にとっては厳しい年でした。

2)ノリ
 本年度は県下一斉に10月19日に採苗を開始し、育苗から年内生産はおおむね順調に推移しましたが、冷凍網生産は1月から2月にかけて発生したユーカンピア赤潮の影響で色落ち被害が深刻となり、生産が落ち込む結果となりました。
 24年度と比較すると、生産枚数で460万枚減、生産金額では2,170万円減の取り扱いでという厳しい結果でした。

3)おごのり、クラゲ
 25年度から取扱いを開始し、おごのりは183トン、9,842,323円、クラゲは9トン、1,439,516円という結果でした。 

4)魚類(市場関係)
 25年度も網漁業者は厳しい状況下が続いております。取扱高から分かるように24年度388万円に対して、25年度は291万円と減少しております。また、少量ではございますが、クルマエビが増加していると明るい兆しも見え始めております。
 今後も組合窓口経由の取り扱い推進を図っていきたいと思います。"

⑤.指導事業等
1)漁場環境保全対策について
 熊本市の補助を受け、ホトトギスガイ除去を目的に漁船によりカイケタを用いて海底を耕耘しました。
・事業費 196,342円(うち市助成金 91,000円)"

2)水産多面式機能発揮対策について
 国のモデル地区認定を受け、干潟域における客土、耕うん、機能低下を招く生物の除去、保護区の設定、稚貝等の沈着促進、及びヨシ帯における刈り取り・間引き等の活動を漁業者で実施し、漁場の保全機能回復を図りました。
・交付金 15,135,457円
     (国13,135,457円、県と市 各1,000,000円)

3)繁殖保護事業等について
 平成25年9月1日より、ハマグリ採捕規格を殻幅16.5ミリから17ミリへ変更しました。例年通り、3共有組合合同でツベタ清掃事業を実施しました。
 また、網漁業者については相変わらず不漁が続いておりますが、例年同様に熊本市、宇土市、4県合同の稚えび放流事業を、当組合が窓口となり実施しました。

4)漁場造成事業等について
 アサリの漁場生産量増大に資するため、県営事業(水産環境整備事業)として長崎県壱岐沖で採取した砂を、10,656㎥、2.96haの区域に覆砂しました。
また、漁場造成技術開発試験として長崎県五島産、長崎県小立産、砕砂、現地砂の4種類、各1,200㎥、4,000㎡の覆砂、3種類の耕うん工を当漁場において実施しました。"

5)セーフティーネットについて
 今後の燃油高騰に備えて、のり生産者を対象に「漁業経営セーフティーネット構築事業」に加入しました。

6)熊本港周辺海域漁業振興事業について
 荷捌き所及び事務所施設の外壁塗装工事、事務所施設内照明機器のLED蛍光灯化工事、水産物鮮度保持施設の給海水ポンプ新設及び配管工事を実施した。
・事業費 6,605,500円(組合負担 1,605,500円)
・内 訳 外壁塗装工事  2,310,000円
      LED化工事      392,700円
      ポンプ新設工事 3,902,800円 

7)各種事業について
 熊本県漁連が窓口となり昨年度同様に実施された、熊本県補助事業の海岸清掃及び海底清掃事業、九州農政局及び全漁連委託事業のナルトビエイ駆除事業、九州農政局委託事業の有明海底質環境調査事業、有明海特産魚介類生息環境調査事業に積極的に参加し、漁場保全に取り組みました。





組合員及び出資口数



 貸借対照表



損益計算書



出資金および準備金等の内訳



固定資産



共済事業



購買事業


販売事業


地区内漁業の概況




地区内経営体数




H25貝類共販実績



  乾ノリ共販実績