川口漁業協同組合の概要 令和元年度の業務報告

事業概況書

第1年度【令和1年5月1日から令和2年4月30日まで】事業報告(事業概況書)

  Ⅰ組合の事業活動の概況に関する事項
   1.一般的概況
 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、魚介類販売が落ち込むなど漁家経営は非常に厳しい状況が続いています。
 このような中、のり販売事業については前年対比102%・28,000万円と好調を維持しましたが、貝類については前年対比77%と共販事業を開始してから過去最低となる2,700万円の取扱いで、採貝者にとっては厳しい状況でした。
 組合収支につきましては海苔の販売高が好調で、昨年に引き続き860,392円の黒字決算となりました。
 主要な事業活動の内容及び成果については次のとおりです。
 
①.信用事業 
 漁業近代化資金、沿岸漁業改善資金、熊本市農林漁業深厚資金等の制度資金の貸付はありませんでした。

②.共済事業 
 本年度も役職員で目標金額を設定し推進した結果、新規契約の普通厚生共済(チョコー)は達成率102%の4,900万円、生活総合共済(くらし)は達成率100%の3,000万円と達成しましたが、火災共済(かさい)は達成率99%の39,500万円、乗組員更生共済(ノリコー)は達成率79%の29,600万円でした。

③.購買事業
 全体の取扱高から見ると前年対比104%の11,600万円で、主な取扱いは汚濁防止ネット等の工事関連資材が40%、次に軽油の13%、A重油の13%、液肥類が9%、のり資材類が8%という結果でした。

④.販売事業
1)海苔
 これまでで最も遅い10月26日からの採苗開始となり水温降下のもと良好な種付けとなった。しかし、育苗期はプランクトン増殖による栄養塩低下で深刻な色落ち症が見られ心配されたが、全国的に生産量が減少し下物製品の価格がここ数年高騰していることから、枚数で前年対比100%、金額で102%と昨年度を若干上回る結果となりました。

2)貝類
 アサリは、前年度60トン2,300万円に対し本年度は31トン1,500万円、ハマグリは前年度14トン1,200万円に対し本年度は13トン1,200万円の取扱い、平成13年度に共販を開始してから、過去最低となる厳しい状況でした。

3)その他
 クルマエビ・魚類の市場取扱高は267万円と厳しい状況が続いております。くらげ、おごのりの取り扱いはありませんでした。本年度より三角網漁業によるアミの売上高、及びシラス漁によるシラス売上高に対して2%の手数料を納入願いました。

⑤.指導事業 
1)水産多面的機能発揮対策事業について
 本年度も国のモデル地区の認定を受け、干潟や河口域のヨシ帯の機能回復を通じて、地先の干潟環境の保全を進め、地域環境及び資源の維持・回復を図りました。
・事業費 20,295,946円  ・交付金 20,000,000円
        (内訳:国費1,400万円、県費300万円、市町費300万円)

2)アサリ・ハマグリ等資源重点保護対策業務について
 熊本県の委託を受け、熊本県水産研究センター指導のもと、アサリ・ハマグリの生息量調査、試験区の設置作業、干潟の耕うん、生物駆除及び食害防止網設置作業等を実施しました。
・事業費 6,051,274円 ・委託料 6,030,000円(県費)

3)アサリ・ハマグリ稚貝保護試験区業務について
 熊本県の委託を受け、熊本県水産研究センター指導のもと、アサリ・ハマグリ稚貝保護試験区の設置、網袋設置、試験区の管理作業等を実施しました。
・事業費 2,615,926円 ・委託料 2,600,000円(県費)

4)漁連委託事業について
 熊本県漁連から委託を受け、「アサリ漁場環境改善調査業務」にて合成支柱を活用したアサリ稚貝の着底促進効果の調査及び合成支柱の設置作業と、「網袋を活用したアサリ稚貝の着底促進保護業務」にて保護区内に砂利を入れた網袋を500袋、設置しました。
・事業費 1,621,164円 ・委託料 1,600,000円(県費)
・事業費  735,000円 ・委託料  735,000円(県費)

5)熊本港周辺海域漁業振興事業について
 保護区内に産卵用母貝(ハマグリ)を放流し種苗の供給を図りました。
・事業費 6,863,975円(うち熊本県補助金5,000,000円)
・内訳  産卵用母貝放流     4,252㎏×1,614円=6,863,975円 

6)繁殖保護事業について
 本年度も当組合が窓口となり稚エビ放流を行いました。放流実績は、
・7月2日 4県共同放流 158,000尾  
・7月19日 熊本市 360,000尾
・8月2日 熊本市上下水道局 400,000尾、
・8月8日 熊本市上下水道局 190,000尾 熊本市漁業振興協議会 96,000尾
・9月13日 宇土市 216,000尾
                   ・計 1,420,000尾

7)漁業経営セーフティーネット構築事業について
 機器等導入、リース事業等の支援を受けるためには、セーフティーネット事業の加入が条件となっているため、燃油高騰に備えると共に、採貝者を含めたノリ生産者以外にも加入を推進しました。
・令和元度末加入者数  71名(うち新規加入2名)
 本年度は燃油価格が高騰しなかったため、補てん金の支払いはありませんでした。

8)令和元年度補正予算について
水産業競争力強化支援事業の機器導入事業で、船外機の買い換えの計画承認を申請しました。
・事業を実施した組合員数 2名
・導入予定金額 3,523,000円    ・補助金の額 1,761,000円

9)各種事業について
 熊本県漁連が窓口となり昨年度同様に実施された、熊本県補助事業の海岸清掃及び海底清掃事業、九州農政局及び全漁連委託事業のナルトビエイ駆除事業、九州農政局委託事業の有明海底質環境調査事業、九州農政局委託事業の有明海特産魚介類生息環境調査に参加し、漁場の保全に取り組みました。



(2)対処すべき重要な課題

特になし


組合員及び出資口数


役員


貸借対照表


損益計算書


余剰金処分案


令和元年貝類共販実績


乾ノリ共販実績



令和2年度最初の稚エビ放流を実施

6月30日、悪天候の中、令和2年度最初の稚エビ放流を実施しました。
車エビ共同放流事業として、今回で17回目(平成15年度開始)となりますが、体長40㎜の稚エビを158,000尾、放流しました。

車エビ共同放流事業は、有明海域の車エビ資源を有明海沿岸に位置する福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の四県が共有の資源として利用していることに基づき、車エビ資源の維持・増大を図るため、関係県が連携して共同放流事業を効率的におこない、車エビの栽培漁業を推進することを目的として実施しています。

事業実施主体は熊本県栽培漁業地域展開協議会(車エビ部会)で、県内の7市2町と19漁協で構成されており、放流作業は川口漁協が担当しております。