アカツキ海苔の特性




1. 産地紹介
  当組合は、熊本市の西南部に位置し、地区の西側が海の幸の豊富な有明海に面し、のり養殖業はもとより、アサリ・ハマグリの採貝業、クルマエビ漁などの漁業が活発に行われております。
特に、一級河川「緑川」を有する広大な干潟漁場で、豊富な水量と栄養塩があり、のり養殖業については恵まれた漁場で、古くからさかんに行われております。12名の行使者で養殖が行われます。


2. 「アカツキのり」の目的
  価格低迷、後継者不足により、のり養殖者の廃業が相次ぐ中、何か打開策はないかと検討を重ねておりました。当時は食の追及を求めて、「量より質へ」という傾向が見受けられました。消費者の皆様から、「おいしいのりを食べたい。」、また、流通業界からも「うまいのりづくり」の要望が高まっていましたので、最後の生き残りをかけて平成2年度から取り組みを始めました。


3. 「アカツキのり」の特性

大きな特色は

     ①クロロフィルa、フィコエスリン、フィコシアニンの含量が多い。
     ②乾海苔の光沢に優れている。
     ③乾海苔の歯切れ良い。
     ④乾海苔の甘味が強い。
     ⑤乾海苔の香りが強い。

という5つの特色が上げられます。

この品種は、東京大学の三浦昭雄教授によって開発育成され、母親がスサビ緑芽、父親がスサビ赤めで、乾海苔に求められている、「歯切れ」・「黒さ」の良さを追求し遺伝子改良が行われ、その結果「甘味」・「香り」がプラスされたもので、「うまいのりづくり」を目的に行っています。

4. 「川口アカツキ」ブランドの確立
  次の項目に重点をおき、ブランドの確立に努めると共、商社の皆様に安心して供給いただける製品づくりを実施しています。

 (1)「アカツキのり」は、すべて支柱漁場で養殖し、採苗→育苗→摘採→生産まで、一貫した共同管理体制をとり、製品の統一化に努める。また、「アカツキのり」養殖場所についても、他品種混入を防止する為、「アカツキのり」養殖区域と他品種養殖区域というように、区分けして養殖をしております。

 (2)格付け検査については、色合わせだけでなく、実際に食して、「味」・「香り」・「焼き色」の点を重視して行う。

 (3)品質向上を図るために、生ノリ段階で浮草・ワラ・小エビなどの異物を取り除く異物除去機、加工した乾海苔から異物が混入していないか見分ける異物選別機を生産者全員が設備し、品質の管理を徹底する。また、当組合乾のり検査場にも異物検査機を導入しており、随時、抜き打ち検査を実施し、品質管理に努めております。

 (4)食品としての自覚を持ち、製造に使用する海水についても、備長炭を使用し、海水に含まれる細菌等を吸収させ浄化した海水を使用している。