川口漁業協同組合の概要 令和2年度の業務報告

事業概況書

第2年度【令和2年5月1日から令和3年4月30日まで】事業報告(事業概況書)


  Ⅰ 組合の事業活動の概況に関する事項
   1.一般的概況
 昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、魚介類販売が落ち込むなど漁家経営は非常に厳しい状況が続いています。
 このような中、のり販売事業については前年対比70%の8,200万円減、19,800万円の取り扱い、貝類についてはアサリが全く採れずハマグリのみの取り扱いで、前年対比64%の930万円減、1,780万円と共販事業を開始してから過去最低となり生産者にとりましては厳しい状況でした。
 組合収支につきましては、購買事業が前年対比140%の4,720万円増、16,300万円の取り扱いで、購買事業の工事関係資材が好調だったため9,426,786円の黒字決算となりました。
 主要な事業活動の内容及び成果については次のとおりです。
 
➀.共済事業
 本年度も役職員で目標金額を設定し推進した結果、新規契約の普通厚生共済(チョコー)は達成率103%の5,250万円、生活総合共済(くらし)は達成率182%の8,200万円と達成しましたが、火災共済(かさい)は達成率96%の38,250万円、乗組員更生共済(ノリコー)は達成率75%の26,300万円でした。

②.購買事業
 全体の取扱高から見ると前年対比140%の16,300万円と好調で、主な取扱いは汚濁防止ネット等の工事関連資材が65%、次に軽油の9%、A重油の7%、液肥類5%、のり資材類が4%という結果でした。

③.販売事業
1)海苔
 採苗開始日を三県会議において10月18日0時以降と決定され、適水温環境の下、順調な採苗が行われました。しかし育苗期に入るとプランクトンの増殖で栄養塩量が激減、形態異常や痩せた細胞が見られ冷凍入庫網の健全度が大変心配されました。秋芽期は育苗から栄養塩の増減が激しくやや赤芽の海苔も見られましたが、味や歯切れも良く製品は概ね良好でした。冷凍期に入ってもプランクトンは停滞し、その中での出庫となりましたが、痛みも若干見られたものの変色等もなく冷凍戻りも心配されましたが、順調に成長し年内に初摘採を行うことが出来ました。しかし近年深刻化する早期の色落ち被害が今漁期も見られ、2月に入ると期待値を大幅に下回る栄養塩状況へと激変、回復が見込めないまま終漁へと向かいました。平均単価は昨年より2.2円安の11.53円、生産枚数で前年比84%、金額で70%という厳しい結果となりました。

2)貝類
 ハマグリのみの取り扱いで18トン1,784万円でした。平成13年度に共販を開始してからアサリは全く採れないのは初めで、採貝者にとって厳しい年でした。

3)その他
 クルマエビ・魚類の市場取扱高は142万円と厳しい状況が続いております。くらげ、おごのりの取り扱いはありませんでした


1)水産多面的機能発揮対策事業について
 本年度は交付金が27%削減され1,540万円となっていましたが、7月豪雨により激甚として460万円が追加され交付金が2,000万円と変更となりました。本年度も干潟や河口域のヨシ帯の機能回復を通じて、地先の干潟環境の保全を進め、地域環境及び資源の維持・回復を図りました。
・事業費 20,010,695円  ・交付金 20,000,000円
    (内訳:国費1,538万円、県費231万円、市町費231万円)

2)水産多面的機能発揮対策(漁場等機能回復対策事業)について
 7月豪雨により激甚災害と指定されたことにより、流木等により被害を受けた漁場等機能を早期に回復されるため、漂流・漂着・浮遊・堆積物の回収・処理及び耕うんの取り組みを国の支援を受け実施しました。
・事業費 18,853,081円  ・交付金(国費) 18,816,000円

3)水産多面的機能発揮対策(漁場等機能回復対策事業)について(№2)
 緑川河口域の畠口漁協から網田漁協までの5組合漁業者で、新しく緑川河口保全活動組織を立ち上げ、流木等により被害を受けた漁場等機能を早期に回復されるため、漂流・漂着・浮遊・堆積物の回収・処理及び耕うんの取り組みを国の支援を受け実施しました。
・事業費 20,000,000円 ・交付金(国費)20,000,000円 ・うち川口5,204,000円

4)アサリ・ハマグリ等資源重点保護対策業務について
 熊本県の委託を受け、熊本県水産研究センター指導のもと、アサリ・ハマグリの生息量調査、試験区の設置作業、干潟の耕うん、食害生物駆除及び食害防止網設置作業等を実施しました。
・事業費 6,032,023円 ・委託料 6,030,000円(県費)

5)アサリ・ハマグリ稚貝保護試験区業務について
 熊本県の委託を受け、熊本県水産研究センター指導のもと、アサリ・ハマグリ稚貝保護試験区の設置、網袋設置、試験区の管理作業等を実施しました。
・事業費 2,621,328円 ・委託料 2,600,000円(県費)

6)漁連委託事業について
 熊本県漁連から委託を受け、有明海特産魚介類生息環境調査(アサリ稚貝着底保護対策)業務委託として、保護区内に砂利を入れた網袋を600袋、設置しました。
・事業費 811,400円 ・委託料 811,400円(県費)

7)熊本港周辺海域漁業振興事業について
 保護区内に産卵用母貝(ハマグリ)を放流し種苗の供給を図りました。
・事業費 6,886,544円(うち熊本県補助金5,000,000円)
・内訳  産卵用母貝放流  3,958㎏×1,740円=6,886,544円 

8)繁殖保護事業について
 稚エビ放流事業を本年度も当組合が窓口となり放流しました。放流実績は、
  ・6月30日 4県共同放流 158,000尾  
  ・7月16日 熊本市 360,000尾
  ・8月 3日 熊本市上下水道局 400,000尾、
  ・8月11日 熊本市上下水道局、熊本市漁業振興協議会 226,000尾
  ・7月28日 宇土市 113,000尾      計 1,257,000尾

 ハマグリの繁殖保護及び価格調整を図るため、保護区内にハマグリを蒔き付け回収しました。回収実績は、
  ・12月15日1,040kg×2,000円=2,080,000円
  ・12月28日 230kg×2,202円= 506,460円
  ・ 1月28日 470kg×2,400円=1,128,000円
  ・2月12日~13日  370kg×2,400円=  888,000円 計 2,110kg 4,602,460円 
 
 組合単独でハマグリを保護区内に蒔き付けました。蒔き付け実績は、
  ・3月11日~14日 795㎏×1,700円=1,351,500円
  ・3月24日~29日 971㎏× 900円= 873,900円
  ・4月23日~28日 419㎏× 900円= 873,900円 計 2,185kg 2,602,500円

9)漁業経営セーフティーネット構築事業について
 機器等導入、リース事業等の支援を受けるためには、セーフティーネット事業の加入が条件となっているため、燃油高騰に備えると共に、採貝者を含めたノリ生産者以外にも加入を推進しました。
・令和2度末加入者数  73名(うち新規加入3名)
 本年度は補てん金の支払いはありませんでした。

10)競争力強化型機器等導入緊急対策事業について
 エンジン出力アップによる運搬能力の向上及び生鮮出荷の迅速化を図り持続可能な収益性の高い操業の確立を目指すため、船外機の買い換えを実施した。
・事業を実施した組合員数 1名
・導入金額 4,925,800円 ・補助金の額 2,239,000円
併せて、エンジンに係る設備諸費用については「浜の活力再生加速化支援事業」を利用し事業を実施した。
・事業を実施した組合員数 3名
・導入金額 1,825,770円 ・補助金の額 910,000円

11)各種事業について
 熊本県漁連が窓口となり昨年度同様に実施された、熊本県補助事業の海岸清掃及び海底清掃事業、九州農政局及び全漁連委託事業のナルトビエイ駆除事業、九州農政局委託事業の有明海底質環境調査事業、九州農政局委託事業の有明海特産魚介類生息環境調査に参加し、漁場の保全に取り組みました。

12)その他
・7月1日開催の理事会にて、代表理事組合長に藤森隆美理事が再選されました。

・7月13日開催の理事会にて、資格審査委員が次のとおり委嘱され就任されました。
 採貝漁業代表と地区代表兼務 藤森幸男、池田久、前田伍則、木村雄二
 網漁業代表と地区代表兼務  坂本誠路
 のり漁業代表と地区代表兼務 中山直美
 学識経験者と公益代表兼務  内村徹

・3月17日開催の表彰式において橋本勝範理事が、17歳から38年にわたりノリ養殖業等の漁業に従事し、漁協理事やノリ協議会長として地域の水産業の振興に尽力した等の功績が認められ、熊本県知事より熊本県水産業功労者・水産部門で表彰されました。 

・4月1日開催の海区漁業調整委員会委員の辞令交付式にて、藤森隆美代表理事組合長が、熊本県知事より4月1日から4年間の任期で辞令を交付され、有明海区漁業調整委員会の委員に就任されました。




2 対処すべき重要な課題

特になし



事業成績並びに財産及び損益の状況


組合員及び出資口数


役員


職員


組合の機構


組合員組織


施設


貸借対照表


損益計算書


購買事業


販売事業


剰余金処分案


地区内漁業の概況


令和2年貝類共販実績


乾ノリ共販実績