熊本市とタイアップして熊本名物にできないかという取り組みです。
10月27日に熊本日日新聞「射程」で書いてあった記事を紹介いたします。
熊本名産の食べ物を挙げるとすれば、馬刺しと辛子れんこん。それに、ひともじのぐるぐる、いきなり団子、豚骨ラーメンあたりが加わるか。近ごろは太平燕[タイピーエン]も売り出し中だ。
知名度は低いが、漁獲量が日本一のハマグリも忘れてほしくない。特に県産は、外来のチョウセンハマグリやシナハマグリではなく、在来種の本ハマグリ。日本書紀に食材として最初に登場する由緒ある食材だ。専門家によると、本ハマグリは上品な味で、身がふっくらして柔らか。コハク酸やグルタミン酸、アミノ酸などのうま味成分が凝縮しており、カルシウムなどの栄養価も豊富だ。
赤坂プリンスホテル総料理長(和食担当)を務め、昨年四月から県に請われてホテル熊本テルサの総支配人に就いた土山憲幸さんも「よそに誇っていい食材」と太鼓判を押し、「まずは地元に知ってもらい、宝にして育ててもらいたい」と願う。だが、県内漁獲量は一九八七年千七百二十六トンをピークに激減。県によると、〇四年に五十四トンまで減り、〇五年六十五トン、〇六年百六トンと持ち直したが、漁獲量日本一の一方で枯渇も懸念されている。こうした状況から、県と熊本市、熊本大の研究者十五人が「ハマグリ研究者連絡協議会」を発足、有効な資源の保全策を探るという。地元での認知度アップとともに、全国に向けてのブランド化にも期待したい。 土山さんは九州新幹線全線開業に合わせ、特産の海(浜)と山のクリ(本ハマグリと利平[りへい]栗[ぐり])を使った駅弁も提案する。熊本では本ハマグリが味わえると評判になれば、ほかに負けない名物になりそうだ。(山本)