川口漁業協同組合の概要 平成19年度の業務報告

一般的概況  当組合の基盤となる共販事業の取扱高が、9億円台を超え過去最高を記録しましたが、依然として漁業経営を取り巻く環境は厳しく、特に石油価格の高騰は生産コストに深刻な影響を及ぼしています。このような状況の中、関係機関と連携をとりながら、組合員の皆様のご支援ご協力を得ながら各事業を推進してきました結果、当期剰余金が1,340万円と黒字決算となり、若干ではございますが、共販参加者に対して配当ができるような運営内容でした。

全般的事業概況 事業別収支からみますと、信用事業は貯金業務を廃止している関係上マイナス434,881円、共済事業は保有高も増加しプラス2,369,439円、購買事業がプラス3,201,510円、販売事業はのり、貝類が好調でプラス41,492,522円、利用事業はマイナス404,038円、指導事業はプラス25,260,622円、事業管理費49,780,650円を差し引いて、事業総利益はプラス21,704,524円でした。  販売事業の概況  海苔につきましては、採苗が10月中旬まで適水温に下がらないため、例年より一潮遅れの10月25日午前6時からと過去もっとも遅い開始となりましたが、芽付きから育苗期にかけて好適水温が続き、順調に成育し健全な種網が確保され、秋芽網及び冷凍網についても順調に生産が行われ、取扱実績、枚数で28,826千枚(前年比125%)、金額で256,523千円(前年比140%)と数字では豊作にみえますが、燃油、資材等の高騰により経費が増加したため、収益の大幅な増加とはなりませんでした。  貝類につきましては、資源管理体制の徹底が実を結び、過去最高の実績693,326千円の取扱高でしたが、アサリの価格面では他県の生産数量の増加等により、ネット当たり年平均3,801円(前年度は4,443円)と安値となりました。しかしながら、ハマグリ生産が例年になく順調で、取扱高も数量158トン(前年度70トン)、金額140,771千円(前年度61,044千円)と、採貝サイズ(5.5分以上)を徹底した結果と思われます。  魚類につきましては、例年どおり各種種苗放流は関係機関の協力を得て実施しておりますが、漁獲高減少、魚価低迷の影響を受け漁業者も減少し市場経由取扱高も減少しました。


指導事業の概況  (ア)教育情報  役職員に対する教育研修事業に積極的に参加し、専門的な知識習得を行いました。主な研修会は次のとおりです。漁協理事研修会(H19.7.31)、漁協監事研修会(H19.8.21)、参事・会計主任研修会(H19.9.7)、会計・税務研修会(H20.3.26)です。  (イ)繁殖保護  県補助事業、国委託事業、全漁連補助事業として、アサリ資源の増大を図るとともに、アサリ等二枚貝による水質や海底の浄化機能を促進するために、アサリ等の食害生物であるナルトビエイ漁場事業に、作業員を専属でお願いして事業に参加しました。(実績:2,738匹、23,813㎏)  また、アサリ等二枚貝の有害生物であるツメタ貝及びその卵を3共有組合採貝者全員で回収・駆除しました。(実施日:5月19日)  (ウ)漁場管理  県補助事業として、貝ケタ付き漁船を使用して、海底に堆積した廃棄物等を回収・除去するとともに、海底を耕転することにより底質の改選を図る事業に参加しました。  (エ)資源管理  数年前からアサリが安心して産卵できるアサリ試験区を設けておりますが、熊本港周辺海域漁業振興事業を利用して、ナルトビエイ等の外敵から食害及び侵入防止策として、コンポース等の合成支柱を密に設置し、アサリ試験区の機能アップを図りました。  (オ)営漁指導  例年どおり、漁業後継者クラブ員を主体として、組合員全員でクリーンアップ清掃事業を実施しました。  (カ)その他  水産庁補助事業として、省エネルギーのために、漁船のエンジンを2サイクルから4サイクルへ換装する取り組みを支援する、「省燃油型沿岸漁業者協業化事業」に積極的に参加させ、漁家経営の安定化に努めました。